部品の動く順序は、完成写真を2枚並べるだけでは伝わりにくいものです。広告制作全体の流れは動画広告制作の進め方で扱っています。本稿では、静止画から動きを図解する方法に絞ります。
架空の折りたたみ式収納ボックス「Hako」を例にします。実在商品ではありません。通常時と折りたたみ後の写真、担当者が承認した手順図があり、「側面を内側へ折りたためる」と確認済みの設定です。
| 商品ページにある素材 | 動きで補う説明 | 画面で区別すること |
|---|---|---|
| 通常時と折りたたみ後の写真、承認済みの手順図 | 手順図に沿って、矢印で側面が内側へ動く順を示す | 実写ではなく、仕組みの説明図と明記する |
| 商品名と外観写真 | 商品名を表示してから、全体写真を見せる | 色、形、ロゴは現行の商品資料と合わせる |
| 承認済みの商品説明 | 「折りたためる」など確認済みの文だけを動きに添える | 収納の速さ、強度、容量など、資料にない主張を足さない |
動かすのは、承認済みの手順図で確かめられる順番や部品の位置関係です。図がなく途中の仕組みが不明なら、担当者に確認するか、前後の写真だけを並べます。
「丈夫」「たっぷり入る」といった性能も、根拠を確認できれば広告に使えます。映像の印象だけでは裏付けにならないため、消費者庁のインターネット広告表示の留意点に沿って、説明と根拠を対応させます。
写真と文字から場面を組み立てる
広告動画の作成では、まず各場面が答える疑問を一つにします。Hakoなら「どう折りたたむのか」です。収納量や耐久性まで重ねると、手順が見えにくくなります。
| 場面 | 素材と画面上の文字 | 確認する根拠 |
|---|---|---|
| 場面1:商品を示す | 通常時の写真と「Hako」。商品全体を静止させる | 現行品の色、形、ロゴと一致する |
| 場面2:手順を説明する | 写真の上に簡単な輪郭図と矢印を重ね、「側面を内側へ」と表示 | 折りたたむ向きと順番が仕様資料に合う |
| 場面3:状態を比べる | 通常時と折りたたみ後の写真を並べ、「折りたたみ時」と添える | 写真が同じモデルで、実物の状態を示している |
| 場面4:次の確認へつなぐ | 商品全体と「サイズ・使い方を見る」 | 遷移先に案内した情報がある |
商品写真は変形させず、矢印と輪郭図だけを動かします。写真は外観、図は手順の説明です。動画広告にイラストを使うときは、模式図だと分かる表示を添えます。
動きが理解を助ける場所を決める
Hakoの2場面目では、矢印の動きで折りたたむ方向を示します。商品写真のズームや回転を足しても、手順が伝わるとは限りません。動かす要素ごとに、見る人へ何を伝えるのかを決めます。

背景、商品、文字、図を一度に動かすと視線が散ります。商品名を読む間は写真を止め、手順の場面だけ矢印を動かします。商品ページなどWeb上で自動再生する動きが5秒を超え、ほかの内容と並行表示される場合は、W3Cの基準を確認します。これはWebコンテンツ向けです。該当する場合は、プレーヤーで一時停止・停止・非表示にできるか、ループ設定も含めて確認します。
漫画動画広告のように会話で課題を見せる方法もあります。操作の順序を伝えるHakoでは、人物より図と短い説明が合います。動画広告のクリエイティブは、動きの多さではなく、伝える内容から選びます。
PexoのMotionガイドは、タイトル、字幕、動く文字、図表の例と、文字・位置・表示タイミングの指示方法を紹介しています。ただし、Hakoの写真を保ち、輪郭図や矢印を正確に生成できる保証ではありません。絵コンテは仕様図をもとに人が確認する案です。素材の保持、文字、出力形式、修正条件は利用時の画面とプレビューで確かめます。

初稿で商品表現を確認する
初稿では、演出より先に商品表現を確認します。Hakoなら、前後の写真、矢印の向き、折り線、表示文を承認済み資料と照合します。
次に、商品名や注意書きが通常の再生速度で読めるかを見ます。文字と字幕を同時に出しすぎず、止めた画面だけでなく、通して再生して確認します。
修正指示には場面、変更点、残す要素、合格条件を入れます。例:「2場面目の矢印を承認済み手順どおり内側へ動かす。写真と図解表示は変えない」。Pexoの修正方法ガイドは会話で修正箇所を指定する方法を紹介しています。周辺の映像も変わることがあるため、修正版は全体を再生します。
公開前に権利と表示を確かめる
写真、イラスト、ロゴ、音声は、広告利用、加工、掲載先、期間、地域を素材ごとに確認します。文化庁の著作権契約マニュアルは、許諾範囲を超えて使えないと説明しています。詳細はマニュアル全体のPDFも参照し、実際の条件は契約と権利者に照合します。
BGMも、楽曲と録音音源を分けて確認します。JASRACの広告での音楽利用案内では、広告目的での複製と広告展開で必要になる手続きが説明されています。曲を動画に入れられることだけで、あらゆる配信先や用途への許諾を判断しないでください。

最後に商品名、価格、性能、注意書き、リンク先、掲載先の最新仕様を確認し、承認した版を記録します。実写版も併用するなら、両方の訴求を照合します。






