商品写真を縦長の画面に並べただけでは、Reels広告の一本にはなりません。たとえば折りたたみバッグなら、形、着用感、収納方法のうち、今回見せたいものを決める必要があります。ここでは、写真と承認済みの商品情報を持つチームが、Instagram動画広告をReels向けに組み立てる方法を考えます。
Reels広告で見せる商品体験を一つ決める
まず、視聴者が画面で確かめられる商品体験を一つ選びます。「便利なバッグ」では映像を選べません。「使わないときは本体を内ポケットに収納できる」なら、広げた姿、内ポケット、収納後の姿が必要だと分かります。
以下は架空の折りたたみバッグ「Nagi」の制作例です。実在商品や広告実績ではありません。確認済みと仮定する情報は「本体を内ポケットに収納できる」のみ。素材は全体写真、ポケットの接写、収納後の写真、ロゴです。折りたたむ実写はありません。耐荷重や撥水性、収納にかかる時間も主張しません。
通常投稿なら、同じ素材から「形」「着用時」「収納後」の別々の話題を作れます。今回のインスタ動画広告は、収納という一点を有料広告の一本に絞ります。MetaのReels広告案内も、縦型の映像と重要な要素を安全区に置くことを勧めています。
写真と使用場面を縦画面に組み立てる

縦画面では、商品を大きく見せたい場面から順に素材を選びます。横長の使用写真を機械的に切り抜くと、バッグは残っても持ち手や手元が消えることがあります。写真ごとに、縦に切っても訴求の根拠が残るかを見ます。
Nagiには収納動作の実写がないため、動きを再現したようなカットは使いません。次の絵コンテは「収納できる」という想定情報を写真で伝える案です。秒数は固定せず、読める長さをプレビューで決めます。
| 場面 | 縦画面で見せる素材と文字 | 人が確かめること |
|---|---|---|
| 冒頭 | 収納後の写真を大きく。「このバッグ、しまうと?」 | 商品の一部が切れず、支給写真の形と一致するか |
| 中盤 | 広げた全体写真から内ポケットの接写へ。「本体を内ポケットに収納」 | ポケットの位置と数、対象モデルが資料と一致するか |
| 終盤 | 広げた姿と収納後を並べ、商品名を示す | 写真の切り替えを実際の収納手順として見せていないか |
CTAは「収納後のサイズを確認する」など、リンク先にその情報がある場合だけ採用します。写真から動きを生成したとしても、折りたたみやすさの実演にはなりません。性能を述べるなら消費者庁が説明する表示の裏付けに照らせる資料が必要です。商品紹介の一般的な構成やブリーフ全体は商品広告制作の手順に譲り、ここではReelsの画面に入る一つの根拠に絞ります。
画面上の文字と商品表示を確認する
文字は短くし、商品と同時に読める位置に置きます。スマートフォンの全画面でも、アカウント名、操作アイコン、広告のCTAなどが映像に重なります。「インスタ動画広告のサイズ」を9:16と決めただけでは、文字が隠れないことまで保証できません。
MetaのReels広告ガイドは安全区の確認用資料を案内しています。制作時には公式ガイドを重ね、最後は広告マネージャの対象配置でプレビューします。固定の余白率を写すより、実際のUIとの照合が必要です。
| 確認する要素 | 置き方と合格条件 |
|---|---|
| 商品の輪郭 | 上下端と右側の操作表示に、持ち手や収納後の形が隠れない |
| 主張の文字 | 「内ポケットに収納」を中央寄りに置き、商品写真を覆わず一読できる |
| 商品名・ロゴ | 画面の端に寄せず、現行の表記・色と一致する |
| 字幕・CTA | 発話を入れる版は字幕と説明文を重ねず、Meta側のボタンと二重に見せない |
音声を入れる場合も、無音で主張が分かるか再生します。W3Cの動画アクセシビリティ案内を参考に、発話や理解に必要な音を字幕で伝え、画面上の訴求文とは役割を分けます。
プレビューでブランド表現を直す
最初に直すのは、色、形、ロゴ、商品名と主張の食い違いです。映像のテンポがよくても、収納後の形が元写真と違えば採用できません。Nagiなら、内ポケットの縫い目と指定色を照合します。背景が目立ちすぎて商品を見失う場合も修正対象です。
Pexoでは商品写真と制作メモを渡し、方向を確認してからプレビューに修正を返せます。修正ガイドは、会話と画面上の範囲指定による修正方法を説明しています。たとえば「2場面目の内ポケットは元写真を維持。文字を上へ移し、袋口は隠さない」と指定します。会話で直せても、日本語のテロップや商品形状が一度で正しくなるとは限りません。対応する入力、画幅、修正範囲は制作時の現行画面で確認し、修正版を通して見ます。PexoからInstagramへ直接広告を公開できるという前提も置きません。

インスタ広告動画の作成では、制作プレビューと広告配置のプレビューを分けて確認します。前者で商品を、後者でUIの重なりを見ます。この絵コンテは企画案であり、入稿や成果検証を実施した例ではありません。
公開前に確認すること
完成した動画、遷移先、素材の権利、Metaの現行条件を同じ版で確認します。商品名、色、価格や販売条件が画面・音声・リンク先で食い違っていれば、配信前に直します。性能を示す文言は、承認済みの資料と照合します。
写真、人物、UGC、ロゴは、広告利用と加工、掲載先、地域、期間まで実際の許諾で確かめます。文化庁の著作権契約マニュアルが示すように、使える範囲は利用方法と条件で決まります。公開済みの素材を、広告へ自由に転用できるとは扱いません。
音源も先に確定させます。Instagramの音楽ライブラリに関する公式案内では、一般のライセンス楽曲は個人的・非商用利用向けと説明されています。Sound Collectionなどを検討する場合も、選んだ曲の利用条件、有料広告での用途、公開時のMetaの規則を照合します。選曲画面で再生できることは広告利用の許可を意味しません。

最後に、Metaの現行ガイドで動画形式と配置の要件を確認し、広告マネージャで縦画面を再生します。訴求、商品、文字、音、CTAがそろった版のファイル名と承認者を記録してから入稿してください。審査の通過や広告効果は制作だけでは保証できません。






